どうも、ぽたろうです。今回は、よく比較されがちな行政書士と社労士(社会保険労務士)の違いを説明したいと思います。どちらも難関試験を突破して取得することができる士業の資格ですが、専門とする業務は大きく異なっています。それぞれの業務の内容と特徴を見ていきたいと思います。
行政書士も社労士も法律を扱う士業ですが、行政書士は行政書士法、社労士は社会保険労務士法で業務内容が定められています。
目次
1.行政書士とは
詳しい行政書士の業務については過去の記事『行政書士って何するの?年収は?』を参考にしていただき、ここでは簡単に説明します。
行政書士とは何をするのか、行政書士法には行政書士の業務について以下の3つに分類しています。
1.「官公署に提出する書類」の作成と代理
2.「権利義務に関する書類」の作成と代理
3.「事実証明に関する書類」の作成と代理
つまり、行政書士とは、顧客から依頼を受けて報酬をもらい、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成及び提出の代理、遺産分割協議書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成等を業とするものです。近年では、ただ書類を作成するだけでなく、法律相談やコンサルティングを行う行政書士が増えてきています。
2.行政書士の主な業務内容
多くの行政書士が主力業務としているのは、建設業許可の申請代理業務です。これは「官公署に提出する書類」の作成と代理に当たります。法人設立に伴う定款作成や、相続業務を専門に行う行政書士もいます。また、近年では外国人の在留資格等の手続きを行っている国際的な行政書士も増えています。行政書士の業務は多岐にわたるため、各々の行政書士が様々な業務をしています。
3.社労士とは
社労士とは何をするのか。社会保険労務士法には社労士の業務について3つに分類しています。それぞれ1号業務、2号業務、3号業務と区別して呼ばれています。各業務の内容について説明していきます。
1号業務(手続き代行)
労働社会保険諸法令に基づいて、行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、再審査請求書その他の書類(電磁的記録を含む)を作成すること
つまり、申請書類等の作成し行政機関等への提出の代理業務です。また行政機関への異議申立等の代理も1号業務に含まれます。
2号業務
労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(電磁的記録を含む)を作成すること
これは、労働者名簿や賃金台帳等作成業務です。
3号業務事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること
いわゆるコンサルティング業務です。
1号業務と2号業務が社労士の独占業務となります。つまり行政書士は報酬をもらってこれらの業務をすることができません。1号業務に関しては、行政機関に提出する書類の作成という面では行政書士と業務が似ていますが、作成する書類が違います。社労士は労働社会保険諸法令に基づいて、行政機関等に提出する申請書等の作成及び提出の代理を行います。それと異なり、行政書士はその他法律で独占業務となっていない書類等の作成及び提出の代理ができます。ここの線引きがとても重要です。
4.社労士の主な業務内容
社労士は一言でいえば、人事労務の専門家です。会社が人を雇うときに活躍するのが社労士です。例えば、雇用保険や労働保険の加入手続きなどがあります。雇用に関する制度が整っていない会社等は、社労士に顧問になってもらい、問題なく人を雇用できる体制を整えます。会社だけでなく個人から労働や賃金の相談が来ることもあります。行政書士はスポット業務がメインとなりますが、社労士は顧問業務がメインとなります。そのため、社労士の場合一度契約をすれば、安定して収入が得られます。
5.まとめ
行政書士と社労士は依頼人に代理して書類を作成するという面では似ていますが、作成できる書類が違います。したがって、依頼の中にそれぞれの業務範囲外の内容が含まれていた場合、行政書士と社労士が協力して業務を行うこともあります。また、両方の資格を持っておけば、業務の範囲が広くなることは言うまでもありません。
行政書士も社労士も素晴らしい職業です。どちらの資格が優位ということはありません。両者が各々のフィールドで活躍しています。これから資格を取ろうと考えている方は、自分がしたいことは何なのかを考えることが大切です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。